ルービックキューブとジャグリングの融合技の案(+ルービックキューブを使ってジャグリング大会を制する方法の考察)

※本記事はSpeedcubing Advent Calendar 2021の23日目の記事です。
前日の記事はまっさん様の「333目隠しの世界記録を解説(とここ2年間で思ったこと)」でした。

こんにちは、悪牛と申します。
スピードキューブを始めて8ヵ月程になりました。13秒を切るのが精一杯のしがないキューバーです。
過去にはジャグリングも触っていました。ジャグリングの方は、5カスケードが100回続くかな~ぐらいの実力です。
どちらものんびりと楽しんでいます。

ルービックキューブとジャグリングって仲良くできるんじゃね?


突然ですが、ルービックキューブとジャグリングの関連性について、あなたはどのように思うでしょうか。
全然違うと思う方もいれば、ちょっとは似てるかもと思う方もいるでしょう。私はルービックキューブもジャグリングもそこそこできる程度なのですが、「なんか相性良いんじゃね?」と考えています。はい、割と曖昧です。ただ曖昧な感覚だからこそ、掘ってみると何かが見つかるかもしれません。

この記事では、ルービックキューブとジャグリングを融合させた技の案をいくつか提示し、最終的には「ルービックキューブを使って国内最大のジャグリング大会で優勝することはできるのか!?」について考察します。
最初にお断りしますが、この記事ではキューブに関する方法論等あまり関係なく、ジャグリング要素強めです。かつ言ってしまうと内容のほとんどが私の妄想であり、実現性があるかかなり怪しいです。キューバーの読者さんを想定してジャグリングに関しては丁寧に説明するよう心がけますので、楽しんでいただければ幸いです。

早速技の案を


前置きはこれぐらいにして、早速ルービックキューブとジャグリングの融合技案を提示します。ここでの「融合技」の定義ですが、基本的に「ジャグリングをしてかつルービックキューブを揃える技」です。例えばただキューブ3つでジャグリングするだけだと融合したとは言えません。キューブじゃなくていいですからね。
また、ここで提示した技の案は全て一旦私の脳内でシミュレーションしてみて、独断と偏見で難易度評価(☆1~4)をしています。☆1なら私でも可能で☆2がギリギリぐらいですが、☆4になるとほぼ完全に私の妄想です(もはやロマン技と言っていい)。

ではいきましょう。

☆1 (ルービックキューブとジャグリングがそこそこできるなら可能)


〇OH・片手2ボール
2ball.png
片手でキューブを揃えてもう片手で2ボールのジャグリングをする、恐らくキューブジャグ融合界の中で最も基本的な技。キューブとジャグ両方やってる人なら割と簡単で見た目も分かりやすく凄いので、コスパは最強だろう。この技を応用すれば、2ボールを2キューブに変えて入れ替えながら3個全部揃えるといった技もできるぞ。

〇OH・肘ストール
stol.png
凹まない真ん丸なボールを肘(腕の内側)の窪みに静止させるストールという技をしながらキューブを揃える。地味ではあるが、逆に言えば見た目のシュールさはピカイチ。片方の手が空いているので、その手で2ボールジャグリングなどすれば凄みが増すだろう。他の技に簡単に組み込める小技として使えそう。

〇OH・インフィニティ
dhia.png
ディアボロを片手で紐ごと回すインフィニティという技をしながらもう片手でキューブを揃える。ディアボロは片手でやるのが難しく、インフィニティ等の片手でできる技もあるが技を始めるのにも終えるのにも両手を使わねばならない。そのためテンポはかなり悪く、正直ネタ技。

☆2 (ちょっと発展的な技術が必要)


〇BLD・チンバランス
tin.png
クラブや皿回しなど、棒状のものを顎に乗せてバランスを取るチンバランスという技をしながら目隠しで揃える。チンバランス時はどうしても顔が上を向くのでBLDと相性が良い(かも)。欠点は、分析と記憶をしてからチンバランスに入るので少しテンポが悪いところ。

〇OH・プロペラ
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デビルスティックを片手で回すプロペラという技をしながらキューブを揃える。プロペラがインパクトの強い技なので、できたら見栄えは良さそう。プロペラに限らずデビルスティックは片手でできる技が比較的充実しているので、キューブを揃えている間に別の技で間を持たせるのもやりやすいだろう。

〇足・3ボール
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3ボールジャグリングをしながら足でキューブを揃える。変なことやってる感はピカイチ。足競技は両手が空いているので、他の技と組み合わせやすいのが利点。足で揃えながら片手で2キューブジャグリングしながらもう片手で揃えたりなんかしたら面白いビジュアルになること間違いなし。難しいけど。

☆3 (キューバーからもジャグラーからも歓声を貰えるレベル)


〇OH・片手3ボール
3ball.png
☆1で載せた「OH・片手2ボール」の3ボール版。2ボールから一気に難易度は跳ね上がる。一度成功するぐらいなら頑張ればできるかもしれないが、安定させるのは至難の業。片手で繊細にキューブ回してもう片手でダイナミックにボール投げるという左右のギャップがすごそう。

〇OH・バータックス派生
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ディアボロを縦向きで回転させるバータックスという技があり、その中でもインフィニティやジェノサイド系統は片手が空くので、空いた隙にキューブを揃える。「バータックスの派手な技をポンポン決めて気づいたら手に持ったキューブが揃ってる」という状況ができれば見た人にウケるだろう。と言われてもイメージが沸かないと思うので、この動画を見てください(他力本願)↓

〇BLD・ヘッドストール各種
head.png
頭の上に凹まない真ん丸なボールを静止させながら目隠しでキューブを揃える。一か所のストールなら☆2だが、脳天・おでこ・こめかみなどボールの場所を入れ替えながらできると☆3のイメージ。ここまで書いて気づいたが、フリースタイルフットボールとルービックキューブももしかしたら相性良いのではないか。有識者の方いたら是非ご一考を。

☆4 (人間卒業おめでとう)


〇BLD足・5ボール
5ball.png
キューブを足で見ずに揃えながら両手で5ボールジャグリングをする。完全に私の妄想技。3ボールだと足元のキューブが見えてしまい凄みが減り、オーバーという頭上でジャグリングする技もあるがそれをやるぐらいなら5ボールの方が技として気持ちいいという理由で5ボール。と色々言っているが恐らく今後これを練習する人は現れない。

〇キューブ上バランス
cubeue.png
キューブの上にクラブやクリスタルボールなど不安定なものを乗せてバランスを取り、そのままキューブを揃える。これまで私が出した技の案は正直「ジャグリングの片手間にキューブを揃える」感が強く、キューブをもっと前面に出した技は無いかと考えたのがこの技。キューブを揃える行為がそのままジャグリングになるといったコペルニクス的転回が魅力の壮大な意味を持つ技だが、見た目が地味で鬼難しい。

〇3キューブジャグリング
3cube.png
キューブ3つでジャグリングしながらそのキューブを揃える。実際にやっている人がいる技だが、なぜそんなことができるのか理解できない。投げるたび絶対キューブの向きが変わるはずで、それを再び投げるまでに回転させるなんてできるはずない。キューブとジャグやってる人ほどこの技のエグさが分かると思う。

※追記
海外でしかこの技をやっている人はいないと思っていましたが、ツイッターで国内でもやっている人がいると教えてもらいました。化け物です。どうやら毎回左手で回していて、回す時間を取る為にキューブを高く投げているそう。具体的なやり方が分かると自分も練習してみたいと思ってきますね(無理)。

ここまで色々技の案をご覧いただきましたが、キューブとジャグ、なんか相性良さそうじゃないでしょうか。
私がこれらの融合技で面白いと考えているのは、技を成功させる難しさと速くキューブを揃える難しさの二種類が併存していることです。成功させる難しさはジャグリング特有で、速く解く難しさはスピードキューブ特有です。そしてジャグリングが上手ければキューブを解く余裕ができ、キューブを速く揃えればジャグリングする時間も短くなり技が安定しやすくなるという技攻略の相乗効果があります。融合してる感すごいですよね。
また結局のところ☆4の変則的な技以外は"ある体の部位でキューブを揃えてその部位以外でジャグリングする"に尽きるので、できる技は他にもいくらでもあります。片手でできる系の技は基本的にどれももう片手でキューブを揃えることが可能です。ジャグラー達が一斉にキューブの練習をしてくれたりなんかしたらかなり色んな融合パターンが発見されそう。

ルービックキューブを使って国内最大のジャグリング大会を制したい!


多くの融合技があると分かったところで、ルービックキューブを使ってジャグリング大会で優勝する方法について考えます。と言われても、キューバーの方からするとそもそもジャグリングの大会がよく分からないと思うので、簡単に説明します。

ジャグリングの大会は探せばたくさんありますが、今回は国内最大の大会であるJJFCS(Japan Juggling Festival Championship)を例に説明します。
JJFCSでは男子個人部門、女子個人部門、チーム部門の三つの部門に分かれ
ており、ジャグリングの道具に決まりは無いです(ここ重要)。
出場者はそれぞれ6分の時間が与えられ、時間内にパフォーマンスを行います。
パフォーマンスの形式にも決まりは無いですが、最もメジャーのは「音楽を流し、音楽に乗せてジャグリングをする」というものです。
この説明だとまだ分かりにくいと思うので、私が大好きなJJFCSの動画貼っときます↓
この方は頭にボールを乗せる技を極めているので、BLDも同時にできそうですね(理論上)。
これはJJFCSの説明ですが、他の大会も若干の差はあれど基本的にはこれと同じ形式です。

さて、ジャグリング大会のイメージが湧きましたでしょうか。この国内最大のジャグリング大会にルービックキューブを持ち込んで優勝する方法を考察します。
まずは一度、JJFCSの審査基準を見てみます。

・完成度(ミスの少なさ、安定感)
・難易度(その演技がどれ程難しいか)
・構成(演技の流れ、演出、音楽との調和)
・希少性(技や道具の珍しさ)
・エンターテイメント性(観客の盛り上がり)
※CS2021 開催要項

ここで一旦ルービックキューブは考えず、通常ジャグラーがこの審査基準をどう攻略しているのか、私の見解を述べます。ジャグリング大会において最も必要なものは独自の強みです。理由は、難易度と希少性とエンターテイメント性を一気に稼ぐことができるからです。
先ほども載せた、私の大好きなこの動画を例にします。
この方は、"頭にボールを乗せて静止させる"という技を極めています。数あるボール技の中でこの技をこのレベルまで極めている人は少なく、難易度と希少性の基準も十分満たしており、かつこのように他に誰もやっていない凄い技は観客の盛り上がりに繋がります。後はその強みを活かす演技の構成を作り、本番でのミスを減らすよう練習すれば日本一のジャグリング大会であるJJFCSでも入賞を狙えるレベルまで到達できます(実際この方は準優勝でした)。

これをキューブジャグ融合技に置き換えてみます。

まず希少性はルービックキューブを取り入れる時点で超珍しいので文句なし、完成度は当日ミスらないよう頑張りましょう。

次に難易度とエンターテイメント性の攻略です。エンターテイメント性とは、要するに観客の盛り上がり具合です。ジャグリング大会では演者が凄い技を決めれば観客は歓声を上げることができ、その歓声の大きさも審査に繋がります。つまり、観客に難しさが伝わる技をすれば難易度とエンターテイメント性の二点を稼げます。
これを考える上で気を付けるべきなのは「ジャグリング大会の観客と審査員はジャグラーである」という点と「JJFCSの舞台は広すぎてルービックキューブが見えづらい」という点です。観客はルービックキューブの知識はあまり無いことが予想され、かつ観客から見たらキューブが揃っている/揃っていないを視認するのが精一杯なので、例えばですが単にJJFCSの舞台でゴリゴリのスピードキューブを披露してそれが6秒代だったとしても恐らく「おぉ~」程度のリアクションになってしまうでしょう。観客にウケるにはやはりこの記事の前半で提示したようなジャグリングと絡めた技をする必要があります。更にそのジャグリングも、例えば☆1ぐらいの技はあまりにも簡単すぎるのでもう少し難しい技をしないとウケないでしょう。☆4レベルの技が一つできるぐらいが理想です。ここはもう作戦云々ではなくただ頑張るしかないです。

次に構成です。構成と言われるとざっくりしたように聞こえますが、私は見飽きない工夫のことだと解釈しています。通常のジャグラーは、最初は自己紹介がてらに簡単な技を確実に決めて後半に進むほど技の難易度を上げるのが定石で、そこはキューブジャグ融合技でも同じで良いと思います。
やはりネックなのは、技が珍しすぎる点です。演技の序盤の導入から丁寧に行って、自分がどんなことをしようとしているのか最初に分かってもらう工夫は必要でしょう。また、ただひたすら片手で何かジャグリングしてもう片手でキューブ揃えるのを繰り返すよりは、例えば本来は両手でやる技を頑張ってキューブを持ちながら行うみたいな色んな種類の技が欲しいです。また、難しいですがBLDと絡めた技を一つぐらい入れるのが理想です。BLDはやはり時間がかかってしまうのと、ミスったときのリカバリーがしづらいので難易度は高いですがジャグラー受けはすごいと思います。

演出案も考えてみた


ではここまで書いたことを踏まえ、演技の簡単な演出案を考えてみました。これもあくまで私の妄想に過ぎないですが、JJFCSで優勝することを真剣に狙ったときの仮の演出です。想像しながら読んでいただければ幸いです。
barabara.png
まず舞台の準備です。舞台に机を用意し、6個のバラバラなキューブを並べて置きます。6個なのは一応キューブの6面と掛けているからですが、技の時間次第で数は調整します。揃っていないキューブが机に並んでいる時点で観客は「これを全部揃えて終わるんだな」と気づきます。予めバラバラのキューブを用意することで混ぜる時間を短縮する意味もあります。ヤラセじゃないことをアピールする為にも設置とスクランブルは別の人にやってもらいたいですね。通常のジャグラーからしたら分かりにくいことをするので、演技前から導入を補強する必要があります。

演技が始まると、まずキューブを一つ手に取りシンプルに揃えるか、片手2ボールなど簡単な技をしながら揃えるところから入ります。舞台準備からここまでで、演者がこれから何をするのかが観客に伝わったでしょう。これで準備は完了です。

後は技を見せるフェーズに入ります。最初は分かりやすい方がいいので、OH+片手2ボールで20,25秒ぐらいのシークエンス(技の流れ)を作って見せて、拍手を貰います。ここまではほぼ固定で良いでしょう。このような感じでキューブを端から順に揃えていき、だんだんと技の難易度を上げます。この後の展開はジャグラーがどの分野を得意とするかで変わりますが、やはりBLDの技は一つぐらい欲しいです。ジャグラーからしたら目隠しでキューブを揃えて、しかも同時にジャグリングすることのインパクトは大きいと思います。ボール以外に良さそうな道具で言えば、デビルスティックやディアボロなどでしょうか。デビルスティックは片手でできることが比較的多いので演技の自由度が広いです。ディアボロは両手で行うのが当たり前なので、キューブを持ちながら、しかも揃えながらディアボロの技を決めたりなんかできたら面白いビジュアルになりそうなのでウケると思います。

またこの演技を成立させる為に必要なスピードキューブのレベルは、もちろん速ければ速いほど良いのですが最低でも大体OHを25秒、BLDを40秒ぐらいでできれば可能かなと考えます(私はどちらも初心者なのであまり確証は無いです)。
更に細かいことで、衣装は全身黒が良いと思います。舞台が広いので、色のある服を着ると遠くからキューブが見えづらくなることが予想されます。そしてもっと細かいことになりますが、さすがにジャグラーに対して完全初見だとリアクションが難しくなってしまうので、ツイッターでちょろちょろ技を公開したりジャグリング交流会に顔を出してちょろちょろ技を見せて知名度を上げるのもJJFCS攻略の一つの手です。本気でちゃんと優勝を狙いにいこうとするとやはりかなり長い年月がかかりそう。

事前に考えることができるのはざっとこれぐらいですね。後はどんな技を習得できるか次第で演技の構成を考えることになります。ちゃんとスピードキューブとジャグリングの両方が滅茶苦茶に上手くなって、適切な見せ方ができればJJFCSでも全然通用すると思います。むしろルービックキューブが他の人には無い武器になるでしょう。実現できたらの話ですがね。

最後に


ここまで私の妄想にお付き合いいただきありがとうございます。キューブジャグ融合技は発展できるし発展しがいのある分野な気がしています。自分ものんびりとここで提示した技を練習しようかな~とかいつかこの分野に興味を持ってくれる変人が現れないかな~とか思いながら締めさせていただきます。

では~

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